顔・腕・言葉に目とふらり(BE-FAST)

TIA/minor strokeは、言語障害、片側の麻痺だけでなく後方循環系(V-B系)の症状で発症する場合もあります。診察は顔・腕・言葉(FAST)だけでなく、目の症状と失調、不安定歩行(力はあるのに歩けない)の身体診察も重要です。(下記ボタンのリンクはFAST動画にリンク中ですが、神経診察の動画掲載を予定しています。)

上記評価で、新たに発症した神経脱落症状の証拠が1つでもあれば、


直ちに脳卒中センターまたは脳神経クリニック に紹介してください。



BE-FASTの神経診察で突発した新規神経機能障害なし(現在Full recovery)と判断しても安心できません。
STEP 3 で 高リスクカテゴリーの有無をチェックしてください。

* tPA静注療法は発症4.5時間以内、血管内治療は24時間まで可能。急性期脳卒中(突発した神経機能障害でなお機能障害があるもの)は遅滞なく直ちに脳卒中センターへ

*完全に神経機能障害が消失している患者(TIA/minor stroke疑い)も、48時間以内に重度の脳卒中発作に移行する可能性がありSTEP3のリスク評価に従って後方連携を行う。

顔 :Facial palsy check
   私の真似をして「イーッ」としてください。
腕 :Barré sign check
両掌を上にして目をつぶってください。(第5指徴候、くぼみ手に注意)
言葉:
構音障害(自発語):「今日は天気がいいです」を2回繰り返すなど。
・失語 naming verbal order
     時計を見せて「これは何ですか?」
     「右手で左の耳を触ってください」
目 :視野(対座法)、複視(指を見せて二重に見えるか、片目で1本になるか)
ふらり:V-B系の評価
   truncal ataxia 歩行の観察
   limb ataxia、 F-N-F